引越し12日前

2021年8月16日 日常
引越しに次ぐ引越しでこの半年間の精算をさせられている。
半年前に引越した今の住居は初めての一人暮らしであるが、実家から電車一本のところにある。引越した当初は、「母の洗うパンツをいつまでも履いている訳にはいかない」など言って自立した生活を手にしたようなつもりでいた。客観的にみれば、いつでも帰れるという安心感に裏打ちされていて、友人とも気軽にうちで遊ぶこともできただけだ。

半年間とは思えないくらいこの街の景色に思い入れてしまったようだ。自宅に友人を招いて近くの街、同じ県内にあっても意外といったことのない街を巡ったりもしたし、長期休暇にはうちに泊まり込んだりもしたのだ。引越すにあたっては、立つ鳥跡を濁したくない、綺麗に掃除した半年前のままの部屋で一泊して九州に旅立ちたい。iOSデフォルトのカレンダーアプリにスケジュールを細か過ぎるまで書き込んで気持ちを落ち着けつつ、しかし今日も素直には寝つけない予感がする。

「半年間何もやってこなかった」の結晶を段ボール詰めしているような気持ちになってきていたのだ。家にいるときには固定オブジェクトのような顔をしている全ての所持品を自らの持ち物として金をかけて転居先に送るため、無視していた全てを片付ける。ひとり暮らしをして自分が本当にやりたかったこと、やるべきだったこと、実際に行った/行わなかったことがそこには羅列されている。理想と現実の乖離、あまりにも意志薄弱な怠惰生活。無計画に購入したCDがまた一枚、聴かれないままダンボールに放り込まれていた。

次の転勤では、未だ足踏みいれぬ土地に最低1年間住むことが確定している。本当に実家からも遠く、一人の友人もいない土地で、コミュニケーション能力も全く頼みに出来ない人間がである。地方から上京してきた大学の知り合いらの気持ちが少しわかったような気がした。
半年間の一人暮らし生活は所詮、生まれ育った街というテリトリーから出ることもない、ただのお試し期間に過ぎなかったことが今更ながらに理解されてしんどい。

今本当に精算されるのは、半年を超えて25年間の人生そのものだ。
25年とは短い時間ではない。もう学生の時期はとっくに過ぎ去った。数年上の先輩らは自分と他者の間合いを理解し、出すところ隠すところをわきまえている。うまく石を積み上げて城を築き上げている。そしてときに思い切り飛び出し人間関係をライドしていく。
大人とはこういうことか。人種が違う?社会の分断?わたしは気色悪い大人子供になってしまった。


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